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好き≠恋(日文版)-第2部分

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凑摛工毪韦猡胜辘翁辶Δ蚴工Α=∪摔现Bめて、忍を見た。
「で、何?」
「大した用じゃないんだけど、生徒会とか興味ないかな盲扑激盲啤
 ガリガリと後頭部を掻きながら話す姿は、どこか困っているようで健人は首を傾げた。
「全く、興味ないけど」
「あⅳ浃盲绚辘饯ρ预铯欷毪人激盲郡々‘」
 大げさな反応を見せる忍に、健人は何がなんだか分からなくなった。生徒会に興味がある人間なんて、本当に少ないだろう。クラス中でも5人いるかいないかぐらいなのに、どうしてそんなことで大層な反応を見せるのか健人には理解できなかった。
「何で、生徒会? うちの健ちゃんは、人前に出るの苦手だから、そういうの向かないと思うけど」
 健人が伲鼏枻工肭挨恕iが先に聞いた。うちのとか、健ちゃんとか、色々言いたいことがあったけれど、これ以上、口出ししても疲れるのは健人だ。無視するか、相手にしないのが一番なので、健人はもう何も言わない。
「いや、俺さ、今年の選挙に出なきゃいけなくなっちゃって。誰か一人、巻き込んでやろうかなって思ってたんだよ。ほら、健ちゃんは特待生だし、責任感も強そうだからさ」
「まぁ、俺の兄ちゃんだからね。責任感は人一倍強いと思うよ」
 ふざけて言う歩に、忍は大笑いした。
「お前ら、仲良いんだな」
「義兄弟って言っても、兄弟だからね
 あはは取⑤Xい笑いが教室に響いた。前を向いていた健人は振り返り、腹を抱えて笑っている忍に一言、告げる。
「俺、やんないから。そう言うの、好きじゃないし」
「ん、分かった」
 健人がはっきり言うと、忍も無理強いはするつもり無かったようで、すぐに引き下がった。それでも、歩との会話が面白いのか、健人の後ろにぴったりとくっ付いたまんま、離れようとはしない。
「賑やかなクラスになったな」
 太陽が笑顔で健人に話しかける。賑やかなクラスと言うより、ただ、騒がしいのが集まっただけのような気がする健人は「そうか?」と太陽の言葉を否定する。
「煩い奴が多いだけだろ」
 健人が相手のことなど考えずにきっぱり言うと、健人の前後から大声が聞えた。
「きっついな 
「お兄ちゃん、厳しい!」
 ふざけた忍に仱毪瑜Δ恕iまでもふざける。かなり鬱陶しい状況になったが、この感情を表に出したとしても、歩はおろか、忍だってめげたりなどしないだろう。打たれ強いわけではなく、この二人は嫌味を嫌味だと理解いない。そして、健人が互いに対して好感を抱いていないことも気付いていないだろう。
「って言うか、健ちゃんのほうがお兄ちゃんなんだ」
「そう。健人は俺より2ヶ月誕生日早いから、お兄ちゃん。俺、さっきからずっとお兄ちゃんお兄ちゃん呼んでたけど」
「言われてみれば、そうだな¥ⅳ螭蕖⒙劋い茻oかったけど」
 笑っている忍に悪気はないようで、聞いて無かったことをあっけらかんと言う。嫌味の無い喋り方に好感を抱いた歩は「別に良いよ」と、忍に笑顔を向けた。
「その笑顔に落ちる女の気持ちが分かったわ」
 笑顔を向ける歩を見つめて、忍はしみじみと言う。
「……は? どゆ意味?」
「笑顔の安売りは、トラブルの元だぜ
 優しい顔つきに、人当たりのいい性格をしている歩は、女生徒によくモテる。誰かれ構わず、笑顔を振りまくから、落ちる女も少なくない。忍はそのことを言っているのだろう。それでも、トラブルだなんて、身に覚えのない歩は意味が分からないと少しだけ首を傾げる。
「それともあれかな。佐偅龤iはみんなの物とか言って、女子同士で協定でも結んでそう」
「何だよ、それ。俺は誰の物でも無いって」
 憶測で話す忍に、歩は怪訝な顔をした。女生徒にモテるのは自分自身でも良く分かっているが、誰かと付き合ったりなどしているわけではないし、みんなの物と言われる事もあまり好かない。
「色男は大変だなってことだよ」
「……別に、大変ってわけじゃないけどなぁ。女の子と喋るの、楽しいし。可愛いし、みんな。良いよね、女の子って」
 ふと見せた柔らかい笑みに、健人は目を逸らした。歩の話を聞いているだけでも腹立つと言うのに、そんな風に笑われるともっと腹が立つ。ここまで腹立つことなんて今まで無かったから、むしゃくしゃとして、もっとイラつくのだった。
「これから物理かぁ。こんだけ騒いでるのに爆睡してる林は凄いな」
 忍はグ盲壬欷婴颏筏皮椤⒒紊悉送护梅筏郡蓼迍婴胜ぅ磨啸丹蛞姢俊J跇Iの合間はクラスメ趣─毪韦恰ⅴ浈浃葻─い悉氦胜韦恕ⅳ饯沃肖扦鈿荬摔护呵蓼皮い毪韦悉ⅳ胍馕恫拍埭馈
「多分、寝たら昼まで起きないんじゃないかな。ほら、林ってスポ耐扑'でこの学校入ってきたじゃん? スポ奶卮我蝗摔坤椤⒊榫毩暏Δ筏い螭坤琛
 動かないツバサを見て、太陽が忍に言う。
「へぇ、そうだったんだ。つ长趣稀⒔袢栅芜W刻、林は無し?」
「うん。無しだよ。朝練で遅くなっただけだからね」
「部活してるヤツはいいなぁ ·扦狻ⅳΔ沥尾炕睢棨筏い闊o理だわ。入れない」
 ホ啷氅‘ムに遅刻しても遅刻にならないと言うのは羨ましいことだけれど、その代わり、スポ膜肆Δ蛉毪欷皮い胙¥胜坤堡ⅳ盲啤⒉炕瞍蠀棨筏い扔忻扦ⅳ搿1練荬扦饯违攻荸‘ツに取り組むような人で無い限り、体験入部だけで辞めてしまう人が多い。その中でも、スポ耐扑'で入ってきた人はスポ奶卮妊预μ卮贫趣蚴埭堡毪长趣隼搐毪韦恰⒂嘤嫟藚棨筏胜搿3庠绀r間から練習を始め、夜は夜で遅くまでやると言う。そんな特別な状況に置かれているからこそ、多少、勉強をおろそかにしても何も言われない。
「ほら、それにさ、林の場合は……」
 太陽はツバサに目を向けて、少し言いにくそうにした。
「あぁ、林って理事長の孫なんだっけ。そんな奴がスポ耐扑'で入学したとか言ったら、贔屓に見られるもんな」
 太陽が言いにくそうにした言葉を、忍ははっきりと言う。それに、太陽は苦笑いした。
「……そう。だから、余計に頑張ってるんじゃないかな。あまり喋らないから、分からないけど」
 最後の方は尻すぼみになってしまい、太陽は俯いた。ツバサが理事長の孫だと言うのは有名な話で、他人のことに興味の無い健人ですらそのことは知っていた。理事長の孫が剣道で推耍Г蚴埭堡郡妊预υ挙涎曛肖藥冥蓼盲皮い啤L当たりが強いのも有名である。そんなことを言われてしまっているのに、ツバサは気にも留めていないから、更に風当たりが強くなる。
「林って寝てるイメ袱筏胜い铩Q¥袱恪⑷弧⑧─椁胜い贰
「そう! 俺が話しかけても無視するからな!」
 ここぞとばかりに無視されてることをアピ毪筏繗iに、ジンが「それ、お前が嫌われてるだけだって」と突っ込む。
「そんなことない! 林はちょっとシャイなだけだろ? 断じて、嫌われて無いと思う」
「さⅳ嗓Δ坤恧Δ桐‘。あ、やべ、物理の先生来た」
 教室の扉が開く音が聞こえて、ジンは振り向く。白衣を纏った初老の教師が入ってくるのを見て、全員が巣に戻るようにいそいそと自分の机へと帰っていく。この姿は滑稽で、急いで移動などしなくても、最初から机に居れば良いのにと健人は思ってしまう。
「あ、歩! ノ确丹护瑁 
 まだノ趣蚍丹筏皮猡椁盲皮い胜盲郡韦⑾藨盲骏弗螭想Oに居る歩にそう言う。このまま、バレないようにノ趣蚪瑜辘郡蓼蓼摔筏瑜Δ人激盲皮い繗iは「バレたか工扔Q念し、ジンにノ趣蚍丹筏俊
 授業は平和に進む。
 母が再婚する前、健人の放課後は家事で時間を潰されていた。朝早くから夜遅くまで働いている母の代わりに、掃除洗濯夕食の準備、全て健人がやっていた。それを苦に思うことは無く、健人のために働いていてくれているのだから、せめて家事ぐらいはしなければいけないと思っていた。
 それが再婚してから、母が専業主婦になってしまったため、健人がそんなことをしなくて良くなってしまった。撸Г钟讶摔啶い铯堡扦猡胜⑿∏菠い死Г盲皮い胜い楗啸ぅ趣獗匾胜ぁ¥坤椁嗓Δ筏皮狻⒄幛舷兢虺证朴啶筏皮筏蓼ΑJ觊g、家事をしてこなかったせいか、母の手際は非常に悪い。見ているだけでハラハラして、放ってなんておけなかった。それを理由に、健人はいつも帰宅後は母の様子を伺っていた。
「母さん、手伝おうか?」
 家に帰り、着替えるなりに健人はキッチンへと向かった。包丁を持って野菜たちと格闘している姿を見ていると、手伝わずには居られず、母の隣に立つと「だ、大丈夫よ!」と強気な声が返ってきた。
「今日は何にするの?」
 切っている野菜を見ているだけでは、何を作るのか想像がつかない。片手鍋に水を入れながら、健人は母に尋ねた。
「肉じゃがよ。えっと、肉じゃがってジャガイモと牛肉だけでよかったかしら……」
「それじゃぁ、本物の肉じゃがになっちゃうよ。たまねぎ、にんじん、あとはしらたきかな」
 もう1年、専業主婦をしていると言うのに、母はあまり料理が得意ではなかった。健人は、この1年間、母の料理を隣で見続けてきた。掃除と洗濯は完璧なのに、どうも、料理だけは上手くいかないようで、過去に何度か失敗をしてきた。
 そして、才能もあまり無いようだ。
「あぁ、しらたき、忘れてたわ。でも、入れなくていっか」
「まぁ、良いんじゃない?」
 大雑把で適当な母を横目に見て、健人は水を張った片手鍋を火にかける。時間的に、味噌汁のことをすっかり忘れていそうなので、味噌汁は勝手に作ることにした。冷蔵庫の中を漁って、味噌汁に入れる具を見つける。
「味噌汁、俺が作るね」
「あ、忘れてたわ! ありがとう」
 やはり、味噌汁の存在は忘れていたようで、母は健人に笑みを向けた。こうして、一緒に料理をすることなんて、1年前までは有り得なかったことだ。楽しそうに料理をしている母を見て、再婚してよかったのだと健人は自分に言い聞かせる。そうでないと、今でも何故、再婚したのかと一人で考え込んでしまうからだ。
 心の奥に根付いたトラウマは、些細なことでも反応してしまう。再び、食材を切る音が聞こえて、健人は上にある棚から鰹節を取り出した。
「ねぇ、健人」
 にんじんの皮を剥いている母が、静かに健人を呼ぶ。先ほどとは摺ι簸恕⒔∪摔夏袱四郡蛳颏堡俊
「何?」
「歩君と、仲良くしてる?」
 その伲鼏枻私∪摔膝丧盲趣筏俊1砻嫔悉扦现倭激筏皮い毪栅辘颏筏皮い毪ⅳ饯欷霞窑沃肖坤堡韦长趣馈M猡匾粴iでも出れば、歩に対しての対応はがらりと変わる。仲が悪いと言うよりも、一方的に嫌悪しているだけなのだが、仲良しとは言いがたい。
「ん、してるよ」
 それでも、母を心配させるわけにはいかないので、健人はウソを吐く。ここでもし、健人が歩のことを嫌いだと言えば、母は物凄く悲しむだろう。頑固で強気な母のことだから、表面には出さず、一人きりになったときに思いっきり悲しむのだ。その姿を何度か見たことがあるので、母だけは悲しませたくなかった。
「そう。なら、いいんだけど。同い年だものね」
 ケラケラと笑った母を見て、健人は安堵してしまった。ウソを吐くとどうしても良心が痛み、バレていないかとドギマギしてしまう。それでもウソをつくことはやめれず、騙していることも分かっているがどうしても歩のことは好きになれない。仲良くしようとも思えなかった。
 健人が歩を嫌っているのは、基本的にちゃらけているからだ。何事も適当で、笑って铡Щ工趣长恧笙婴い坤盲俊?谙趣坤堡窝匀~をずらずらと並べて、思っても居ないことを簡単に言う。そして、何より、あのヘラヘラとした顔が大嫌いだった。
 嫌いなところを並べたら、キリがない。思い出すだけで腹が立ってくるのを感じて、健人は一度、この場から離れようと思った。
「母さん、しらたきないんでしょう? 俺、買って来るからさ。味噌汁の出汁だけとっておいて」
「え、まだ歩君帰ってきてないから、歩君に頼もうと思ってたんだけど」
「いいよ。俺が行く」
 まだ学校から帰ってこない歩に頼んだところで、何時に帰ってくるのか分からない。それなら、健人が買いに行ったほうが早いだろう。それに、一刻も早く、この家から出たい健人は母の制止を振り切って、家を飛び出した。
「……あ、健人」
 玄関を開けて飛び出した途端に、嫌いな奴の声がして、健人は顔をあげた。
「買い物、行くの?」
 あからさまに嫌な顔をしてしまったと言うのに、歩は一切表情を変えず、笑顔で健人に話しかける。右手には相変わらず携帯を持っていて、誰かとメ毪扦猡筏皮い郡螭坤恧Α
「夕飯の食材買いに行くんだよ」
 低い声で答えると、歩はニッと笑う。
「へぇ、じゃぁ、俺も一緒にいこ」
「……くんなよ」
「つれないなぁ、お兄ちゃん」
 嫌な顔をしたにも関わらず、歩は健人の後ろをついてきた。これ以上、何を言おうが歩が家に戻ることは無いだろう。それならそれで、無視し続けた方が楽なので、健人はそれ以上何も言わなかった。
 歩は健人の隣に並んで、競歩のように早く歩く健人に歩幅を合わせる。長身の歩は、健人と10センチ以上差があるため、歩幅を合わせるのは楽だった。健人がいくら早く歩こうが、歩からしたら普通のスピ嗓坤盲俊
「何を買いに行くの?」
「しらたき」
 嫌われていることは自覚しているが、伲鼏枻筏郡长趣摔纤刂堡舜黏à虢∪摔恕iは少し笑ってしまう。不貞腐れているような仏頂面は、上から見下ろすと拗ねているようにしか見えない。顔も童顔だから、怒っていてもそのようには見えなかった。
「しらたきってことは……。今日はすき焼きだな!」
 食材から今日の夕飯を当てようとすると、健人から冷たく「肉じゃがだよ」と正解を言われる。見事に外した歩は「肉じゃが好きだよ」と苦笑した。
 歩が歩くスピ嗓颏沥绀盲冗Wめても、健人のスピ嗓蠅浃铯椁胜ぁ=穸趣纤伽幛皮撙毪取⒔∪摔违攻冤‘ドも少し上がった。置いて行くのは構わないが、追い抜かれるのはイヤなようだ。
「しらたき足りなかったなら、買ってきたのに」
「何時に帰ってくるか、わかんねぇだろ。お前」
 携帯を顎に当てて、考えているふりをしている歩に、健人ははっきり言う。この1年間、毎日学校へは一緒に行っているが、帰りは別々だ。健人は毎日似たような時間に帰ってくるが、撸Г螭扦霘iは帰ってくる時間がまちまちだった。
「確かに。でも、最近は早いと思うよ。そんなに撸Г螭扦胜い椤¥饯ρ预à小⒔∪摔显绀瘞ⅳ盲沥悚Δ瑜汀_'んで帰らないの?」
 撸Г螭菐ⅳ椁胜い危俊·妊预ρ匀~を、健人は嫌味にとってしまった。暗に、友達がいないのかとバカにされているようで腹が立つ。家にいたら、もっと腹立ってしまうから家を飛び出してきたのに、怒りの原因が一緒についてきてしまったら、苛立ちは増す一方だ。
「別に……、撸Г螭菐ⅳ胍馕钉证椁胜ぁ
「楽しいよYIい食いとか。まぁ、いつもジンとだし。今度、健人も一緒に行こうよ!」
「行かない」
 話の流れから誘われるような気がしていた健人は、すぐに断る。こんなにも苛立たせてくれる歩と買い食いをしにいったって、自分が怒り狂うのは目に見えている。それなら、家で大人しく母の手伝いをしている方が、何十倍、何百倍も楽しいだろう。
「ジンって一見、凄くバカそうに見えるけど、ゲ啶工博‘上手いの。いっつも賭けるんだけど、俺、すぐに負けちゃうんだよね¥饯螭恰ⅴ飑‘プとか奢らされんの」
「……へぇ」
 歩にバカだと言われたらおしまいだなと、健人は冷やかな目で歩を見る。明るく、声の大きいジンは、確かに頭が良いようには見えないが、健人と同じ特待生の一人だ。バカなはずがない。
「最近、ハマってんのが、エアホッケ0尺_二人でさ、エアホッケ蕙袱扦浃盲皮毪椤⒆庸─趣蓼盲皮螭韦省¥饯螭恰ⅳ蓼 长埭碡摛堡筏皮郡辘工毪取⑿·丹ぷ婴瑥暝筏皮欷螭巍¥工博‘、楽しいよ」
 楽しそうに話す歩を尻目に、健人は歩眨蛩伽工搿¥长胃督扦膺M学校として有名な林ノ宮高校の制服を着た男が、ゲ啷互螗咯‘のエアホッケ菬釕椁蚶Rり広げていれば、誰だって注目するだろう。子供たちに応援されている歩を想像して、健人はバカだなと思った。そんな輪の中になど、入りたくもない。
「面白そうじゃない?」
「全く」
「え⒔∪摔盲匹博‘センとか苦手? 騒がしい所、苦手そうだもんなぁ」
 大げさな声が、背後から聞えて健人は眉間に皺を寄せた。勝手に苦手と決め付けられたくないが、歩の言うとおり、ゲ啷互螗咯‘など騒がしいところは苦手だった。
「じゃぁさ、今度、映画観にいかない?」
「……はぁ? 何で、お前と……」
 いきなりの申し出に、さすがの健人も驚き、足を止めて歩を見た。
「だって健人さ、日曜だろうが平日だろうがずっと家にいるじゃん。そんなの絶対につまんないって。今週の日曜、俺、暇だしさ。行こうよ」
 何が虚しくて野郎二人で映画を観にいかなければいけないのか、健人は歩の顔を見ながらそんなことを考えた。それでも、行こうと何度も誘ってくる歩を断りきれず、一緒に映画へ行くはめになってしまった。
「健人は何が見たい? ホラ俊ˉ撺攻匹戛‘? それとも、アニメ?」
 最後の一つは、歩も笑いながら聞いてきた。ふざけているのだろうが、今後、一緒に行かないためにも、歩には似合わなさそうなのを選ぼうと健人は思った。
「考えとく」
「まぁ、俺、映画はえり好みしないし。健人が好きなのを選ぶと良いよ」
 笑みを向けた歩を見て、健人はふと目を逸らした。返事は素っ気無いし、いつも冷たくあしらっているというのに、どうして歩は健人に笑みを向けることができるのだろうか。普通の人だったら、健人に対して怒りを覚えていても可笑しくないはずだ。それなのに、歩はいつも笑いながら健人に話し掛けてくる。それが不思議でたまらなかった。
 家から歩いて15分ほどの距離にあるス雪‘へ、健人と歩は入っていく。一人は私服、もう一人は近くにある進学校の制服を着ているから、妙に視線を感じる。
「ねぇ、健人、お菓子買っても良い?」
「……自分の金で買えよ」
 入るなりに菓子コ施‘へ行こうとした歩を無視して、健人はすたすたと歩き始める。買ってくるものはしたらきだけなので、片手でしらたきを取ってそのままレジへと向かう。頼んでも買ってもらえないこと分かったのか、歩は何も持たずに健人の後ろをぴったりくっ付いていた。
「ほんとにしらたきだけなんだ」
「当たり前だろ。要るのはしらたきだけなんだから」
 袋に入れてもらったのを受け取ると、健人は歩がついて来ているのを確認せずに歩き始める。一刻でも早く帰り、二人きりでいる時間を減らしたい。家に到着したら、すぐにでもキッチンへ行っ
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